知っているオリオン座と実際に見えているもの、そして見えていないもの
僕が小さい時に父親と一緒に見た星空にはオリオン座がハッキリと見えました。
得意になった僕は「今日もオリオン座が綺麗に見えるね」と言いました。
その時父親が僕に言った言葉は今でも僕の行動原理の一つになっている大切な言葉でした。
「オリオン座はとても綺麗な形をしているな。お前にオリオン座が見えたのはお前がオリオン座しか知らないからだよ。今日みたいな日はそれ以外にもたくさんの美しい星座が見えるよ」
衝撃的な一言でした。
星空に無数にある星の特徴的な配列に人間が目印として利用するためにつけた名前。
確かに僕はオリオン座しか知りませんでした。そして確かにそこにある他の美しい星座のことを意識できていませんでした。
それはどんな人でも日々、無意識に起こっている、とっても勿体無いことです。人間は知っていることに関してはどこまでも得意になることができ、冷静さを欠いたとき、それ以外見えなくなってしまうのです。
確かにオリオン座は美しいです。しかし同じくらい美しい星座を僕たちは同時に見つけることができるのです。
得意だからこそ見落としてしまうのです。その辺に気が回るようになるとほとんどの人間はトラブルを解決し目標を達成するために必要な資質を手にします。
自分が何を知っていて、何を知らないのか。
あなたのお仕事の分野はなんですか?プロフェッショナルを自負し、日々邁進されている事と思います。
知らないことを新たに習得しようとすることは年齢や経験値と比例して難しくなってゆきます。
頭が固くなるとはよく言ったものです。
人間とは今を維持しようとする力と、今を変えようとする力。相反する二つの性質を同時に宿しているそうです。
年齢と経験値が上がるにつれて維持しようとする力のバランスが強くなるんでしょうね。知ってしまったからこそ固くなってしまう。
新しい海に漕ぎ出すリスクを知っているから。
以前も書きましたが、力や資産は維持することは不可能です。可能なのは向上しようとする中で結果として生じる維持や増大のみです。
僕は「冷静でいて狂っている」人が最強だと思います。
ジョブズさんも言いました「stay hungry stay foolish」
投資の世界でもリスクを上手に取る人は成功しています。
しかし成功という椅子は無限にある各分野においてたった一つしか用意されていないようです。
成功者のやり方を模倣するのははっきり言って時間の無駄です。
成功者から学ぶべきはその考え方であり、かつ鵜呑みにするのではなく独自解釈が大切になってきます。
一流のITエンジニアの考えが寂れた農村の農業に革命を起こしても全く不思議ではありませんし、その逆もまた然りです。
宮本武蔵が言った「全ての自然が我が師なり」
よく言ったものです。
自分のオリオン座の中でしか得意になれないのなら、緩やかな衰退の中にいるということ。もっともっと広角に構えて、何が写っているのか見て見ましょう。
ずっと前から変わらずにそこにあったものに気づけた時本当のスタートが訪れます。
ぜひこちらもお読みください。 クリスマスケーキ、お正月のお餅